いまやAI検索は日常の一部であり、欠かせない道具になっています。
そんなとき、ふと思い出すのが、私の最初の上司の言葉です。
当時、臨界プラズマ試験装置 JT-60 の強度解析を担当していました。まだPCは存在せず、関数電卓と大型計算機が主力。強度計算書は手書きで作成しており、しばしば上司から間違いを指摘されていました。
そんな折、部内にペンプロッター付きの 8bitパソコン が導入されました。私はそのPCを使い、電卓で行っていた計算をプログラム化し、ペンプロッターで表を描かせて強度計算書に添付しました。
それを見た上司が、うなりながら一言。
「きれいに書かれていると、つい信じたくなる。でも、ちゃんと確認計算はしているのか?」
その言葉はいまでも忘れられません。
AIもまた、美しく整った答えを返してくれます。しかし「本当に正しいのか?」「本当に最適なのか?」を見極めるのは、やはり人間です。
これからも、AIを“便利な道具”として使うだけでなく、当時の上司の言葉を胸に、自分自身が確認と判断を怠らずに、AIを信頼できるパートナーとして、丁寧に活用していこうと思います。
